2022年8月1日

林業を通じた起業家マインドの育成を目指して 〜JUNIOR FORESTers CLUBがスタートしました〜

JUNIOR FORESTers CLUB(JFC)とは

「JUNIOR FORESTers CLUB」は中高生を対象として都留市、南都留森林組合、都留文科大学が協働で取り組む1年間の青少年育成プログラム事業です。これから世界的に目指す「脱炭素社会」を林業の現場から知り、実際に木材を加工・販売する経験を通じて、起業マインドの育成を行います。

 
 

 
 
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JFCのコンセプト

●林業を通じた起業mindの育成

林業に対する価値観を変え、自分自身の力で未来を切り拓く起業mindを持った青年育成

●環境に優しい持続可能な世界を築く

未来をより明るく、より暮らしやすく、子どもたちが将来帰ってきたいと思う緑豊かなまちづくりを子どもたち自身の手で

●地域の課題を解決できる人間育成

自分の住む地域を知り、課題を捉え、考えることができ、地域の人々とのつながりの中で、自分の役割を果たそうとする

 

JFC設立の背景

都留市では、2021年2月15日に、山梨県地球温暖化対策実行計画の長期ビジョンで掲げた「2050年にCO2排出実質ゼロ(CO2ゼロやまなし)」の達成に向け、山梨県および県内全市町村共同で2050年に温室効果ガス(二酸化炭素)排出量実質ゼロを目指す「ゼロカーボンシティ宣言」を宣言しました。

 

CO2の吸収源としての人工林荒廃、林業自体の衰退を食い止めることには極めて重要です。プロプロしかし近年、若者の地域離れや林業従事者の高齢化が進み、地域森林の担い手不足が深刻化しています。実際に都留市内には人工林が多く、野生鳥獣による農作物や林業被害の温床ともなり、市内の森林荒廃が進む一因となっています。また、森林所有者の森林離れが要因となり、森林整備の遅れと合わせて森林資源の活用が進まず、森林を軸とした地域経済の消失も深刻化しています。

 

本事業は、地域森林に関わっていく「将来の担い手」を育成することによって、地域の森林再生や森林資源の有効活用を活性化させ、脱炭素や災害防止といった森林を取り巻く課題解決に繋げていくことを目的としています。

 

JFCの概要

対象:都留市及び近隣地域在住の中学⽣および⾼校⽣男⼥
主催:都留市
実施主体:南都留森林組合
協⼒:都留⽂科⼤学
活動頻度:1か⽉に⼀度(⽇曜⽇)
※2022年度の募集は終了いたしました。

 

運営メンバー

・佐藤 洋(JFC事業発起⼈/宝の⼭ふれあいの⾥ネイチャーセンター学芸員/都留市産業課)
・竹田 仙比古(南都留森林組合 参事)
・高田 研(都留文科大学 教養学部地域社会学科 特任教授/一般社団法人地球温暖化防止全国ネット 理事長)
・福島 万紀(都留文科大学 教養学部地域社会学科 専任講師)
・森嶋 昭人(都留市企画課 政策推進担当リーダー)
・小林 克也(都留市企画課 副主査)
・山本 理恵(都留市企画課 副主査)
 

脱炭素との連動

「適切な森林経営」による炭素吸収の期待

1997年に締結された京都議定書において、森林の炭素吸収をカウントし評価する枠組みが構築され、カウントの対象となった森林は下記の2つである。
 
1:森林以外の⼟地被覆であった場所に1990年以降、新規に植林をされた森林
2:1990年以降に間伐等の適切な経営が⾏われた森林
 
しかしながら、⽇本国内において、1.に該当する森林はわずかであり、2.の適切な森林経営への期待は⼤きい。さらに2017年に⽇本はパリ協定の締結国となり、2030年における温室効果ガスの削減⽬標を、2013年⽐の26%減と設定した。その26%のうち、2% (2700万t-CO2)を森林吸収源対策により確保することとしている*1)。

 
家庭で使用するエネルギー排出削減への貢献

環境省が⽰す2030年度までの温室効果ガスの排出削減⽬標を⼆酸化炭素に換算すると、約10億4,200万t-CO2 である。このうち9割にあたる約9億2,700万t-CO2 がエネルギー部⾨から排出削減することを⽬標としている。エネルギー部⾨の⽬標値のうち、家庭で使⽤するエネルギーの排出削減⽬標値は約1億2,200万t-CO2である*2)。

そのような状況の中、JFCの活動は、森の⼿⼊れにとどまらず、森林資源の多⾯的利⽤を実践とともに学ぶ場でもある。⽊⼯、薪ストーブの活⽤、特養林産物の⽣産など、森の恵みを享受する活動により、中学⽣・⾼校⽣が環境持続的な暮らしの技を習得し、エネルギー排出削減へ寄与する取り組みとなる。

 
脱炭素社会の担い手の継承

多⾓的な視点で⾏われるJFCの活動の「地域資源循環型の起業マインド」の育成活動を通じ、中学⽣・⾼校⽣による脱炭素社会の担い⼿継承を⽬指す。

*1)林野庁「パリ協定の⽬標」2021年8⽉20⽇最終閲覧

https://www.rinya.maff.go.jp/j/sin_riyou/ondanka/con_pa.html
*2)環境省「地球温暖化対策推進法と地球温暖化対策計画」2021年8⽉20⽇最終閲覧
https://www.env.go.jp/earth/ondanka/domestic.html